●泉質の分類

  泉質による温泉の分類は上に示した化学成分に基づいて、温泉を療養に利用する面を考慮して行われています。泉質名は行政上、1979年から適用された新しい「環境省鉱泉分析法指針」に基づいて決められています。
しかし、この泉質名は合理的であるもののあまり普及 しておらず、一般には旧源泉と呼ばれる分類の方が普及しています。 泉質は含有物質による分類の他にも温度・浸透圧・pHによる分類法があり、様々です。
 また、これらの他にも、後で述べるように温泉の起源からも分類がなされています。

物  質  名 含有量(1キログラム中)
 溶存物質(ガス性のものを除く)      1,000r以上
 遊離炭酸(CO2      250r以上
 リチウムイオン(Li+      1r以上
 ストロンチウムイオン(Sr2+      10r以上
 バリウムイオン(Ba2+      5r以上
 フェロ又はフェリイオン(Fe2+,Fe3+      10r以上
 第一マンガンイオン(Mn2+      10r以上
 水素イオン(H+      1r以上
 臭素イオン(Br-      5r以上
 沃素イオン(I-      1r以上
 ふっ素イオン(F-      2r以上
 ヒドロひ酸イオン(HAsO42-      1.3r以上
 メタ亜ひ酸イオン(HA2     1r以上
 総硫黄(S)〔HS-+S232-+H2Sに対 応するもの〕      1r以上
 メタほう酸(HBO2      5r以上
 メタけい酸(H2SiO3      50r以上
 重炭酸そうだ(NaHCO3      340r以上
 ラドン(Rn)    20(百億分の1キューリー単位)以上
 ラジウム塩(Raとして)    1億分の1r以上

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 強酸性泉 pH 2未満
 酸性泉 pH 2〜4未満
 弱酸性泉 pH 4〜6未満
 中性泉 pH 6〜7.5未満
 弱アルカリ泉 pH 7.5〜9未満
 アルカリ泉 pH 9以上

−水素イオン濃度による温泉の分類−

 低張泉 温泉水1kg中の溶存物質総量
  8g以下
 等張泉     同上       
  8g以上 10g未満
 高張泉     同上
        10g以上
 冷鉱泉 摂氏25度未満
 微温泉 摂氏25度〜34度未満
 温泉 摂氏34度〜42度未満
 高温泉 摂氏42度以上

温泉とは…?

温泉とは、下記の通りに定義されています。

 【温泉法第二条(昭和23年7月10日―法律第125号)】
  この法律で「温泉」とは、地中からゆう出する温水、鉱水及び水蒸気その他のガス
 (炭化水素を主成分とする天然ガスを除く。)で、別表に掲げる温度又は物質を有す
 るもの
をいう。

 ―別 表―

  1. 温度(温泉源から採取されるときの温度とする。) 摂氏25度以上
  2. 物質(下に掲げるもののうち、いずれか一)

 したがって、地中よりゆう出する際の温度が、25℃以上の温度であるか、
また25℃未満であっても、上記別表の19の物質のうち、いずれか1以上の
成分が規定の含有量ををみたせば、温泉ということになります。

新泉質名 旧泉質名
1.単純温泉 単純温泉
2.単純二酸化炭素泉 単純炭酸泉
3.カルシウム・マグネシウム-炭酸水素塩泉 重炭酸土類泉
4.ナトリウム-炭酸水素塩泉 重曹泉
5.ナトリウム−塩化物泉 食塩泉
6.硫酸塩泉 硫酸塩泉
7.アルミニウム-硫酸塩泉 明礬泉
8.鉄U泉 鉄泉
9.鉄U-硫酸塩泉 緑ばん泉
10.硫黄泉 硫黄泉
11.酸性泉 酸性泉
12.単純放射能泉 放射能泉

−温泉の泉質別分類−

−温度による温泉の分類−

−浸透圧による温泉の分類−